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​ね ね の 部 屋 🎠

​Memo✍

​💌2021/9/6

ネルケプランニング 代表取締役社長 (玉川大学卒業生)
野上祥子さん​インタビュー
​2021/8/17

私はこれまで演劇、また中でも2.5次元の演劇にあまり詳しくなかったことから事前資料でもいくつかその特徴や活動について学ばせて頂きました。実際のお話では、より具体的な演劇への想いや価値観をお聞きすることができ私は、特に野上さんの「お客様へエンターテイメントを届ける」ことへのこだわりを感じました。お客様がチケットを取ったその瞬間から、一瞬も余すことなく特別な時間をめいいっぱい感じて欲しいという心からの想いが「ネルケプランニングの創る舞台」が愛され今に至る理由なのではないかと思います。コロナ禍で客席を使った演出ができないなどの変化に対しても、「表現」でお客様の心を満たし作品を伝えていくことを軸にお客様と空間を共有していると感じました。カンパニー全体で「伝える」ことに向き合い全力で進むからこそ、お客様の「また来たい、また明日も頑張ろう」という原動力を生み出していると納得できました。

 

また、状況に対して複数の視点を持ちながら関わることでエンターテイメントを未来へ繋げていると感じました。代表やプロデューサーという立場は緊急時に良くも悪くもカンパニーの未来を左右すると思います。中には公演中止など断腸の思いで決断を迫られる時もあると思います。しかし、エンタメと感染予防を平行しながらこれまで普及して来た「演劇を見ること」を絶やさぬよう切り替えて進めることに野上さんの意思の強さを感じました。トライアンドエラーを繰り返し、”演劇を見る選択肢が増えた→これを機にオンラインで試し見→次は劇場で観劇を”でと先々を見据えてプラスの考えで動くことが野上さんだからこそできることなのだと思います。オンラインが増え人との繋がりが希薄になるからこそコミュニケーションに熱量を持って挑む姿勢がエネルギーを生み、より良いエンターテイメントの創造に欠かせないのだと学びました。大学で舞台芸術を学ぶ私たちも未来へ繋げるという意識を持ってこの活動に最後まで取り組みたいです。

 

8月25日、ネルケプランニング制作のミュージカル「テニスの王子様」4thシーズン青学vs不動峰を観劇いたしました。私にとって初めての2.5次元、初めての「テニスの王子様」。テニスすら詳しく知らないけれど大丈夫かなと不安でしたが、舞台の幕が開いた途端に一瞬でストーリーに引き込まれました。映像で舞台が電車内や部室に早変わりする様子からはテクノロジーと演劇の可能性を無限に感じました。演劇も時代とともに進化するもの、時代を映すものであると言われる理由にも思えました。テニスボールも本当にあるように見えて、役者の方もテニスや技、そしてこの舞台に全力で挑みお客様に提供していることが感じられたからこそ私も本気になって舞台で応援していました。舞台後もとても気持ちがよく、これが仰っていた「明日への活力」だと肌で感じて心が温かかったです。この舞台に出会えたことも演劇を通じた人と人の繋がりだと思います。貴重なお時間、お話をありがとうございました。

​💌2021/7/29 

早稲田大学演劇博物館 enpaku

 ロスト・イン・パンデミック −失われた演劇と新たな表現の地平−

​ 2021/6/29 

ロスト・イン・パンデミックは、舞台芸術の上演過程が世間に知られていないから理解されない、上演されなくてもそこに舞台を上演しようとした軌跡が視覚的に表されている展示でした。

実際に学内で実習公演に関わった経験があり、上演するのにどれだけ多くの人の時間と想いが詰まっているのか分かるからこそ、中止されたおびただしい数の公演フライヤー1枚1枚の重みを感じました。フライヤーを全国から集め展示することによって、確かに公演を行おうとした証としての役割、役者やスタッフの舞台を創り上げていた気持ちの代弁ともとれるものでした。これでもほんの一部に過ぎず、世の中で行われている公演が普段からどれほどたくさんあるのかを知ることもできました。

また、コロナ禍の国としての出来事、芸術界での出来事を並べた年表が衝撃的で、目で追うたびに息が詰まるような思いでした。壁を追っても追っても終わらない年表に、その時その時で自分が何を感じて生活していたのかを鮮明にゆっくりと思い出す機会となりました。自分の周りの小さなコミュニティで起こっていたこと、学校で起こっていたこと、国で起こっていたこと、日々変化するコロナ禍ですべてを覚えていることは難しく、頭では記憶に新しいと思っていても忘れてしまいつつあることの多さに気付かされました。舞台の上演のために関係者、観客を守ろうとする選択、最大限尽くしながら上演や中止を決める選択、舞台芸術に携わる決断が大小様々行われていることが文章化によってより明らかとなっていたと思います。この年表を見ても国は舞台芸術の中止や劇場の閉鎖を言い渡せるのでしょうか。「オンライン」や「マスク」「社会的距離」といった非日常にすぐに対応できるにも関わらず不要不急だと潰されるのは、上演の過程や様子が社会に伝わらない故なのかと痛感しました。

昨年、オンライン授業が始まり、舞踊の授業中心だった私は家で踊るという初めての状況に困惑しなかなか受け入れることができずにいました。実家で大学とも先生や同級生とも離れた場所で画面に向き合い踊ることに孤独も感じました。展示で劇団四季の方がZOOMでレッスンを受ける様子を見て、この時誰もが同じ状況で踊りと向き合っていたことが感じられました。

私は広島県の出身のため平和教育として何度も平和記念資料館を訪れました。ロスト・イン・パンデミックを見る中で状況は違えども後世に継承していくために重要な資料という点で共通点を肌で感じました。そのためパンデミックは震災や戦争のように風景が変わらないから心中を細かに記録して残す必要があるというお言葉がとても胸に刺さりました。◯月◯日の出来事といったピンポイントの日付が提示できない分、じわじわと人の記憶からも正しい事実が忘れられてしまうという恐ろしさに気付かされました。いつこのようなことが起こるかわからない、だからこそ私たちは資料を残すのです。風化させないことはもちろん、先の見えないいま、資料を残すことで変わる未来が必ずあると思います。このパンデミックは被爆体験や戦争体験と同じように芸術に携わる人の人生を大きく変えてしまう出来事です。この記録が舞台関係者へ向けるだけでなく、社会へも影響を与えている展示且つ芸術の在り方を考える材料として伝え継がれて欲しいと感じます。

早稲田大学演劇博物館 公式webサイトはこちら

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